File-80 Put the kitchen at the heart of your lifeKitchenを
人生の真ん中に
June 30, 2026
中村谷
お気に入りの器を愛でながら、
料理を食する 至福のひととき。
玉藻公園を望むこの街は、交通の利便性と歴史の風情、そして海と緑がもたらす開放感が心地よく調和する場所。そんなエリアに佇むマンションの一室が、入江邸だ。3年ほど前、郷里に戻り、新たな棲家としてこの部屋を選んだ入江恵子さん。「中村谷さんなら私の感性を理解してくれる」そう確信して、リノベーションを託した。
高松市鍛冶屋町にインテリアショップを構える「中村谷」は住宅や商業施設などの設計・施工、家具工事などを手がける老舗。確かな技術と美意識で知られている。
グレーを基調にしたリビングダイニング。
壁にかけられたヨットの絵画は、海が好きな入江さんが選んだお気に入りの1点
夜になると照明を落とし、落ち着いた雰囲気に。
テレビ下に設けたバイオエタノール暖炉の温かな灯りが、空間を優しく包み込む
完成した空間は、オリジナルのアイランドキッチンが堂々と部屋の中央に据えられた開放的なプラン。帰宅するとまずキッチンに立ち、台の上に並ぶお気に入りの器を眺めながらワインを開け、料理を作る。それが、医師として多忙な日々を送る入江さんにとっての至福の時間だ。
ローストポークやカルパッチョなど、自分の食べたいものを、自分のタイミングで。外食が減り、自然と健康的で穏やかな生活へと変わったという。「料理をしていると、自然と人が集まってくるんです。カードを送って食事に誘うのも楽しみのひとつ。昨日は孫たちが来て、賑やかで大変だったけどね」と笑う。以前は「食洗機はいらない」と思っていたという入江さん。だが、高い機能性で知られるドイツ・ミーレの食洗機を導入してからは、「洗浄力が高くてびっくり。使った食器をそのまま入れてまとめて洗えるので、食器かごに器が並ぶだけでストレスだった日々から解放された」と話す。
キッチン棚には、日常使う食器や調味料などを収納。品の良い朱色が、空間をさりげなく引き締めている
仕事が終われば、ワインを片手に。ついついお酒にあう料理を作ってしまうという
乾燥を終えた食器はそのまま棚へ。冷蔵庫は、かつて和室だった隣のパントリーに配置。炊飯器やオーブンなどの家電は収納棚に収めて扉を閉めれば、空間はすぐに整う。お気に入りのスパイスや調理器具が空間の一部として整然と並ぶ。「生活感を隠すんじゃなくて、上手に見せたいの」と、入江さんは微笑む。この住まいで暮らすようになり、外に出かけるよりも家で過ごす時間が増えたという。キッチンを中心に、人生を楽しむ。そんな入江邸のリノベーションは、日常をデザインするという言葉が、よく似合う。
ー2025年11月
器を眺めながら、料理を作り、立って食べることもあるのよ」と入江さん。今のお気に入りは、てしま陶苑の器
中村谷HP

