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パートナーインタビュー

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家族の思い出とともに長く受け継がれる家具をお客様に

ミゾブチ家具

高松市香川町、塩江街道沿いにある「ミゾブチ家具」。広々とした明るい店内には、厳選された上質な家具が展示販売されています。

ミゾブチ家具外観。店のコンセプトに合わせて2015年にリノベーションされた

ミゾブチ家具は、1927年にたんすの製造を行う会社として創業しました。当時、一般家庭で購入する家具といえば、収納たんすがメイン。婚礼用として、高い需要があったといいます。
しかし、戦後1950年代からテーブルやイス、ベッドなどの洋家具が少しずつ普及。たんすを購入する人よりも、洋家具を一から揃える人が増えていきました。そんな時代の流れとともに、ミゾブチ家具もたんす製造業から家具の小売業へとシフトしていきました。

入口から見た店内の様子(提供写真)

「プロとして自信を持っておすすめできるものだけを販売しています」と話すのは、代表取締役の溝渕弘起さん。溝渕さんは大学を卒業後、大阪にある家具店に就職。4年間勤務した後、祖父と父が経営してきたミゾブチ家具に入社しました。

代表取締役の溝渕弘起さん。「これは本当に座り心地がいいんです」というSOLIDの牛革のソファーで

溝渕さんが代表取締役に就任した頃から、世間では通販で気軽に家具を購入することが可能になり始め、家具店に足を運ぶ人が減少。家具業界自体の在り方が再び変わろうとしていました。価格競争が激化するなか、溝渕さんは店を存続させるために、過去には安く手軽に購入してもらえる商品を販売したこともあったそうです。しかしながら、安さが売りの商品は、長く使えず結果としてお客様をがっかりさせることになったといいます。

数々の試行錯誤の結果、現在のミゾブチ家具に並ぶ商品は「暮らしのなかにある、心地を五感で楽しめる“real wood furniture”ながく使えて、使い心地がよく、使うほどに味わいを増していく家具」。ミゾブチ家具ならではの視点で、心から「いい」と感じた商品をセレクトしています。

アートギャッベの展示販売スペース。デザインのストーリーを紐解きながら、空間やイメージにぴったりの絨毯を提案してくれる

特に、「SOLID」はミゾブチ家具の顔ともいえる特別なブランド。2017年、新規事業を模索していた最中、溝渕さんはSOLODに出会いました。SOLIDは、富山県にある「ミヤモト家具」と福岡県の「ナガノインテリア」が共同開発したオリジナルブランド。「世代を越え、末永く愛される家具へ」というコンセプトのもと、100%天然木無垢素材と厳選した天然素材を使用し、「本物」を追及した家具ブランドです。溝渕さんは、SOLIDの家具だけでなく、ミヤモト家具の宮本社長の人柄にも魅力を感じたといいます。

「ミヤモト家具を訪問したとき、社長は初対面にも関わらず、家具を売る想いや経営のことなどこれまでの苦労や経験を包み隠さず話してくれました。その社長の人柄と社員のいきいきと働く姿がとても印象的でした」。ぜひSOLIDを取り扱いたいと思ったと同時に、社員のために会社づくりをする宮本社長の姿勢を真似したいと思ったそうです。

スタイリッシュなデザインの脚に、カラーや素材のバリエーションが豊富な楕円の座面のハイスツールは、SOLIDの人気商品の一つ

SOLIDと宮本社長との出会いから3年後の2020年、ミゾブチ家具での取り扱いを開始。店内に専用のスペースを新設し、四国で初めてのSOLID取り扱い店になりました。
宮本社長とともにつくり上げた空間には、落ち着いた大人のカッコよさと、品がありつつ親しみのあるSOLIDにしか生み出せない独特の世界感があります。

店内のSOLID空間

「誇りに思える商品を扱っていることは、社員にとっても自信になります。働く楽しさににもつながれば嬉しいです」と溝渕さん。SOLIDを求めて他県から足を運ぶ人も増えてきたと相好を崩します。

こだわりの商品セレクトだけでなく、接客時につくり手の想いや商品のストーリーを伝えることもミゾブチ家具が心がけていることの一つ。例えば、南ペルシャの遊牧民族によって織り続けられている手織り絨毯、アートギャッベは、模様や織り方、歴史的背景が一つひとつ異なります。そんな絨毯の背景を紐解き、お客様に丁寧に伝えているといいます。「売り手の商品への想いは、お客様の心に必ず残ります。人生のここぞっていうときに、ミゾブチ家具を思い出してご利用いただけたら嬉しいです」。

納品されたオーク無垢材を使用したSOLIDのオーダーテーブルと、宮崎椅子製作所のチェア。お客様が時間をかけて選んだというチェアは、4脚とも違うデザインながら、樹種を揃えることで統一感のあるダイニングに(提供写真)

憧れる人も多いというカウチソファ。数種類のサイズから部屋の間取りにあったサイズを提案する(提供写真)

古民家を改修したお宅に納品されたソファ。和の空間にも自然に馴染んでいる(提供写真)

5年後の2027年には創業100周年を迎えるミゾブチ家具。「いい家具は、長く受け継いでいくことができます。世代が変わるときに張り替えをしてもいいし、キズや使い続けた色合いはやがて家具の味わいに変わり、家族の思い出にもなります」と溝渕さん。今後も家具の販売を通してつくり手の想いをつなぎ、多くの心地良い空間がつくられていくことでしょう。

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