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パートナーインタビュー

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インテリアが生み出す自然体で居心地の良い幸せ

interior shop moani

ハワイの言葉で「風に漂う香り」という意味を持つ「moani」。インテリアショップ「moani(モア二)」はその言葉のように、「そよ風のようにさり気ない心地よさを暮らしに届ける存在でありたい」という想いでインテリアの提案を行っています。

高松市福岡町にあるmoaniのショールームは、バス停のような可愛らしい看板が目印。エントランスでは、ジョージ・ネルソンにより1952年にデザインされたバブルランプが出迎えてくれます。

店舗エントランス

moaniを運営するのは「ヤノインテリア」。1952年に、代表取締役の矢野和宏さんの祖父母が「矢野年宏商店」の名前で創業しました。創業のきっかけは、カーテン。洋館風の建築が流行し始めた頃、洋裁が得意だった矢野さんの祖母の元に「窓かけをつくってほしい」という相談が舞い込んだことが始まりでした。祖母がカーテンを縫い、祖父が内装工事を行うカーテン屋。店内には、大きな反物が所狭しと陳列されていたといいます。

「カーテンの質の良し悪しは遠くからでもわかりますよ。子どもの頃は店が遊び場でしたから」と朗らかに話す矢野さん。県外の芸術大学でデザインの勉強をした後、香川に戻り家業を引き継ぎました。

しかし、住空間のトレンドは移り変わるもの。矢野さんが会社を引き継いだ頃には、応接間に欠かせなかったカーテンも、徐々に需要が少なくなっていました。「今は家を建てるときに家具や雑貨を先に決める人が多いですね。カーテンは最後に選ぶもの。そんな時代の流れもあって、カーテンだけでなくインテリア全体の提案ができればと思い、家具の勉強を始めました」。

商品の提供だけでなく、取り付け工事も行う。商品を詳しく知っているからこそ、カーテンのひだの見え方など、細かい部分も意識した設置作業を行っている

その中でも矢野さんが心惹かれたのは、宮崎椅子。moaniで長年取り扱っている家具の一つです。

moaniの店内に並ぶ宮崎椅子はとても個性豊か。宮崎椅子の張生地に加えて、カーテンで培った知識でmoaniが独自にセレクトした生地をそろえています。その選択肢が増えたことで、moaniでは一人ひとりの暮らしに合うオリジナリティのある宮崎椅子を提案できるようになったといいます。

「初めて宮崎椅子を購入する人だけでなく、すでに持っている方にも利用してもらいたいです。張生地を変えるだけでイメージも変わりますし、さらに愛着も湧き、暮らしが変化しても心地の良いもので在り続けます」。

宮崎椅子のダイニングセット。すべて違うデザインの宮崎椅子だが、張生地と樹種でほどよい統一感がある

靴を脱いで上がる店内。そこには、さまざまなデザインの宮崎椅子や、価格帯の異なる多様なブランドのブラインドやカーテンが展示されています。「実際の暮らしに近い感覚で商品を体感してほしい。靴を脱いで家にいるような感覚になってもらえたら、本当に居心地のいいものが見つかると思うんです」。

moani入口。宮崎椅子製作所の椅子やテーブルが並ぶ。派手な柄も椅子のデザインによく合っている

手前:座の中心を軸に、回転しながら垂直に積み上がっていくスタッキング機能が備わる「LUNA」。奥:現在の木工技術を活かしたラウンドフォルムのウインザーチェア「bo chair」

「自然体で居心地の良い幸せ」。矢野さんがインテリアを提案する際に大事にしていることです。

「商品を選ぶときの決め手は、値段が高いか安いかではないと思うんです。自分の暮らしに合うか、合わないか。お客様が無理をせず心地よく居られて、少しの工夫でおしゃれに見せる提案をすることが私の仕事です」。

暮らしの心地良さは人それぞれ。だからこそ、お客様と話すことを1番大切にしているという矢野さん。少しのアイデアでオリジナリティのある空間が生まれるコツと暮らしの中でのインテリアの役割を改めて教えてもらいました。

矢野さんがデザインしたmoaniオリジナルの調光ロールスクリーン。製作する大きさに合わせて柄をデザインしているため、オートクチュールみたいに1点ものを制作できる

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