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パートナーインタビュー

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奥深い古美術の世界。物の価値を見出す

古美術 窓屋

高松市春日町に本店を構える「古美術 窓屋」。骨董品や古美術、書画、茶道具、絵画など、歴史ある美術品や道具の買取・販売を行っています。このような古い時代の作品を取り扱い販売を行う業種を古美術商と呼び、古物商許可のもと、作品を取り扱っています。

春日町本店 入口

「古美術は、とても奥深い世界です。宝探しみたいでおもしろいですよ」と話すのは、代表取締役の岡元さん。30年間古美術商の仕事に携わっています。「古美術とよばれる美術品や道具一つひとつから、つくられた当時の時代背景や文化が見えてくるのがこの仕事の魅力。古美術の種類によって買い手のいる地域が異なるのも、おもしろいところです」。

中国の清代に宜興という場所で 作られた煎茶用の急須

例えば、興味深いのが中国美術。中国美術の買い手のほとんどは、中国人だとか。なかでも人気なのが煎茶に関わる道具類。お茶文化が根付く中国では、日本の煎茶道具も大人気だといいます。また、中国の王朝時代、美術品などの高価なものは皇帝が独占し、一般市民が手にすることはなく、日本のように庶民文化が発展することもなかったといわれています。

その後、毛沢東によって中国文化とともに日中貿易で数多くの品物が日本に入ってきました。そして、現代の中国経済の成長もあり、中国人による中国美術の買戻しが活発に行われているといいます。このようにさまざまな時代背景が交錯して、美術品が受け継がれているのです。

天啓赤絵と呼ばれる、中国明代のお皿

2001年に、岡元さんが開業した古美術窓屋。現在は、高松市にある春日町本店、兵庫町店のほか、京都にも店を構えています。

兵庫町店

京都店

「骨董品や美術の無料査定や買取を通して、遺品整理や終活の際にも力になれたら」と岡元さんは話します。引き継いだ家に古美術が残されているケースも少なくはありません。しかし、その価値に気が付かず放置したり、破棄してしまう人も多いといいます。例え、リサイクルショップなどの中古販売店に売ったとしても、実際は売値よりもはるかに価値があったというケースもあります。古美術の価値を見極めるためには、マーケットの需要も含め、専門的な知識が必要なのです。

「まずは、自分で価値を決めてしまわないことが大事ですね。想像もしていなかったものに驚くほどの需要がある場合もあります。捨ててしまう前に、一度お気軽にご相談いただければと思います」と岡元さん。

また、骨董品や美術品を狙った空き巣被害も多く報告されているそうです。特に、遺品を放置している可能性のあるあき家は被害に遭いやすいとか。そのため、物品整理はなるべく早い段階で行うことがポイント。

さらに、古美術の価値に影響するのが保存状態。どうやらピカピカに保存していればいいというわけではないようです。むしろ、長年の埃や汚れをきれいに拭き取ってしまうと、価値が落ちてしまうことがあるため、そのままの状態で査定する方が良いといいます。それは、古美術や古道具を入れてある箱も同じだとか。

知れば知るほど、奥が深い古美術の世界。「古美術」と聞くと、関わりがないことだと思う人も多いかもしれません。しかし、将来引き継いだ家に自分では価値のわからない物が遺されているかもしれない、そして自分が整理しないといけないかもしれない、と考えると案外身近なことなのです。

「ゴミになっていたかもしれないものが、自分たちが入ることで再び価値を見い出すことができ、次の人へ受け継ぐことができる、これが一番のやりがいですね」と岡元さん。

専門的な知識が必要だからこそ、相談できて価値を教えてくれる場所があることは、とても心強いことです。

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