新着情報
陶芸家ユニット 手島に暮らすvol.10
アキリノcolumnは、京都から香川県丸亀市の離島、手島に移住してきた陶芸家、松下龍平さんに古民家のDIY体験談を思いのままに綴ってもらう新企画です。どうぞお楽しみください。
文/写真 松下龍平
一緒に陶芸活動をしている松原恵美さんと、2019年春に瀬戸内海の離島、手島に移住。自分たちで古民家を改修しながら、「てしま島苑」の名で陶芸活動をしている。海岸の土や収穫後の野菜の残渣(ざんさ)、見頃の終わった向日葵など、島の素材だけを使ったやきもの “手島焼き” を制作している。住まいの他にギャラリーや工房スペースも改修中。
___________________________
前回寝室となるロフトを作り終え、ダイニングとリビング、寝室が出来ました。今回は壁にペンキを塗り、部屋を拡張させた事についてお話していきます。
合板にペンキを塗る場合、木のアク等でペンキの変色を防ぐ為にアクどめ材を下塗りした後にペンキを塗るのが良いそうで、まずはパテで凸凹や隙間を埋めた壁にアクどめシーラーを塗っていきます。そして、シミュレーションを重ね散々悩んで決めた、Hipというメーカーのペンキを塗っていきます。どうせ塗り潰すのだからと、シーラーが塗られた白い壁に絵を描きまくり、最後はキレイに塗り仕上げました。
そして、ペンキの色を決める際、家具の配置もシミュレーションしたのですが、置こうと思っていた場所に冷蔵庫を置いてみると想像していたより遥かに圧迫感が凄く、これはかなり邪魔になりそうだという事で、急遽冷蔵庫スペースを拡張する事にしました。
住居の入口すぐ横に、元々冷蔵庫を置いていたんじゃないかと思う程丁度良いスペースがあり、そのスペースと住居を区切っていた壁を取っ払い住居と繋げ、スペースの元々の開口部に壁を設け、住居内側の空間とする事にしました。その為区切っていた土壁を壊し、新しい土壁を作る事になりました。
壊した土壁は竹小舞という竹を編んで作られた基礎に土が塗られていたのですが、新しく作るとなると手間が掛かるというのと、今まで改修中に壊した土壁は全て竹小舞で出来ていたのですが、その際竹小舞だと崩れやすい印象を受けたので、今回新しく設ける土壁は木を組んで作る木小舞にしてみました。
木材を格子状に組み基礎を作り、そこに壊した際に取っておいた土を再利用したものを塗って乾かし完成です。
次回はゼロから作る、水廻り用の小屋についてお話していきます。
次回、陶芸家ユニット手島に暮らすvol.11は、7月末発行のアキリノstories011でもご覧いただけます。
てしま島苑 Instagram