File-11 My renovation house 001余白を残したリノベーション
July 17, 2020
あきリノ編集部スタッフが
実際のリノベーション暮らしを語る
マンション編
(職種:デザイナー)
ー中古マンションに辿りつく
〝家賃を払って賃貸に住むよりも自分たちの好きな空間を作って住む方が毎日楽しいんじゃないかな〟からはじまった家探し。
ペーパードライバーの私にとって自転車が唯一の交通手段。立地の良さは必須だった。
家づくりも床や壁はこうしたい!ドアやキッチンはこんなのがいい!など希望をあげるとやはり注文住宅?
でも、その土地が何処に?予算は大丈夫?高松市中心部にはなかなか土地もなく、価格も高い。
そうなると新しい土地を探すより中古マンションの方がてっとり早く、お値段もお求めやすいことに気がついた。
奥にあった部屋の間仕切りを外し空間をつなげた
ーはじまるリノベーション
そして、間取りや内装も好きなようにできる!管理体制もしっかりしている。
探しはじめると、立地の良い物件には古くから建っている家やマンションが多い。
そして出会ったのが築二十年のマンション。
昔ならではの建築デザインはお隣のバルコニーが視界に入らず人の気配があまり感じられないところも気に入っている。
間取りは3LDKをリビングを広めにとった2LDK+Sに変更。デザイン面だけでなく生活動線なども含みデザイナーさんに助言をいただきながらプランを仕上げていったのを覚えている。
内装は極力シンプルに。その分、床には味わいを持たせるため無垢材で市松張りに。職人さんは作業に苦労したようだ。(職人さん、ありがとうございます)
壁はクロス張りではなく塗装で。建具や収納なども造作して仕上げていただいた。
和室の部屋も押入れはルーバーの折戸で通気性もよく実用性も兼ねている。何でも既製品でなくスタイルに合わせて造作できるのがリノベーションの魅力ではないだろうか。
キッチンはステンレス製でゆったり作業ができるようサイズをリクエストしてオーダーメイドで作ってもらった。広いので使い勝手よくノンストレス。ただ、私の身長には調理台までの高さがもう少し欲しかった。
他にもあとで、こうすれば良かったということもある。これらは勉強不足と打ち合わせ不足だったと思っている。
マンションはサッシやドアは共用部分になるので色を塗ったり変更したりはできない。でも、玄関ドアに内側は専有部分になるので我が家は真っ白に塗ることができた。
元々の良さも残している。
和室のあった部屋は長押(なげし)を残してポイントにしている。キッチンにあった戸棚は納戸の物入れの棚として使っている。
左:和室の押入れの襖はルーバー折戸に 中:和室の長押は部屋のポイントに 右:玄関ドアは専有部の内側を白く塗装
ーこれからも続いていく
住んで十年。お風呂場とトイレはまだ当時のまま。一気に仕上げるのではなく住んでみてから自分の生活に合わせて残りのリノベーションもできる。新築のように自分の人生プランだけで創り上げる家とは違い、前の家主から受け継いだ家に後から付け足しで造り、次の家主とともに変化していく。
子どもも増えて成長とともに間取りも考えなくてはいけない時期も近い。塗装も剥げてきたり、他にも不具合は出てきている。
どの家にも言えることだけど、特にリノベーションは「長〜く家と職人さんと付き合っていく」必要があるように思う。
そろそろ追加のリノベーションも考えなくては。
こうして私の住まいは、都度変化していく。
ー2020年7月
家族構成:夫婦、長女(10歳)、長男(7歳)の4人家族