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陶芸家ユニット 手島に暮らすvol.15

アキリノcolumnは、京都から香川県丸亀市の離島、手島に移住してきた陶芸家、松下龍平さんに古民家のDIY体験談を思いのままに綴ってもらう新企画です。どうぞお楽しみください。

文/写真 松下龍平

一緒に陶芸活動をしている松原恵美さんと、2019年春に瀬戸内海の離島、手島に移住。自分たちで古民家を改修しながら、「てしま島苑」の名で陶芸活動をしている。海岸の土や収穫後の野菜の残渣(ざんさ)、見頃の終わった向日葵など、島の素材だけを使ったやきもの “手島焼き” を制作している。住まいの他にギャラリーや工房スペースも改修中。

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2年半かけ、ようやく“家”が出来ました。この家での、初めてのお風呂や、初めてのトイレ、初めてキッチンを使った食事、それら1つ1つの”初めて”の感動は今でも忘れません。そもそも、何故自分達で家をつくろうとしたのかと言うと、ひとえにお金がなかったという理由につきます。

お金はないけど自分達の心地良い空間をつくりたいと考えた時に、業者に頼むとかかってしまう人件費や輸送費を材料費や工具代にあて、時間と手間と愛情をかけ、なるべく妥協せずにつくろうという思いから始まりました。

色々な学びを得、成長させてくれた2年半の家づくりでしたが、実は私達の思い描く場所づくりはまだまだ終わっていません。これからは陶芸用の窯場と工房、ギャラリーに庭と茶室をつくっていきます。長い道のりですが、1つ1つやっていけば必ず終わることを家づくりで学んだのできっと大丈夫です。

私達の住む手島という島は、丸亀市の塩飽諸島の1島です。人口は17名程ですが、まだ住める立派なあき家がいくつもあります。ただ、人が住まなくなった家はあっと言う間に悪くなってしまいます。私達が島に来てからの5年間でも、どこかから家が崩れる音が聞こえたり、ちょっと見ない間に天井が崩れ中が剥き出しになってしまった家が増えました。

船は1日4便、多くの会社員の方は住むのが難しいと思いますが、私達のように島でものをつくり、営むことをしたい作り手を招致し、島で営み暮らすことで、島の家や自然を守ることに繋がる。”作り手の島 手島”のような活動もしていきたいと思っています。

 

 

 

「陶芸家ユニット手島に暮らす」 は、このvol.15をもって連載を終了します。
ご愛読くださった皆さま、本当にありがとうございました。
てしま島苑の松下龍平さん、長年にわたる連載ありがとうございました。

またどこかでご一緒できる日を楽しみにしています!

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