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陶芸家ユニット 手島に暮らすvol.3

アキリノcolumnは、京都から香川県丸亀市の離島、手島に移住してきた陶芸家、松下龍平さんに古民家のDIY体験談を思いのままに綴ってもらう新企画です。どうぞお楽しみください。

 文/写真 松下龍平

一緒に陶芸活動をしている松原恵美さんと、2019年春に瀬戸内海の離島、手島に移住。自分たちで古民家を改修しながら、「てしま島苑」の名で陶芸活動をしている。海岸の土や収穫後の野菜の残渣(ざんさ)、見頃の終わった向日葵など、島の素材だけを使ったやきもの “手島焼き” を制作している。住まいの他にギャラリーや工房スペースも改修中。

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解体作業中、旧台所の奥に現れた謎の部屋。窓も無く、やたら天井の高い不思議な空間でした。その部屋と旧台所を仕切っていた壁を取っ払い、「井」の字の骨組みも抜き、一つにつながった空間は、2人で住むにはちょうど良い大きさでした。

土埃が舞う凸凹の床では今後の作業がしづらいと思い、まずは床から始めることに。陶芸という仕事柄汚れる作業が多いので、作業着のままウロつける場所として、コンクリートの床のダイニングキッチン、そこに小上がりを設け、パジャマでもくつろげるようにリビングにしようと決めました。

まずはコンクリートの床づくりです。とは言っても、ただコンクリを流せば良いという訳では無く…凸凹の床の高さを合わせるため、バラスと呼ばれる特殊な砂利を敷き、転圧を掛けながら平らに。そして、コンクリートの床からも白アリが侵入してくるらしく、気密性向上と白アリを防ぐ役割のアリダンシートというものを敷きました。次にスタイロフォーム断熱材、そしてコンクリート補強のためのラス網を敷くという、すべてが初めてにしてはなかなかハードな作業をこなさねばなりませんでした。

ただ、ありがたいことに、手島にはコンクリートを作る施設とミキサー車があり、手練りをせずには済みました。

コンクリを流す当日、流す場所までミキサー車は入れなかったので、島民の方にもご協力いただき、一輪車で往復する班と、トンボでならし、コテで整えていく班とで別れ、作業に取り掛かりました。

今まで掃除や解体等、無くしていく作業ばかりでしたが、固まったコンクリートの上を歩き、自分達で作った床を眺めていると、やっと家を造っている実感が湧いてきました。

次回、陶芸家ユニット手島に暮らすvol.4 は、フリー冊子「アキリノstories04」でもご覧いただけます。

 

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