あき家(空き家)とリノベ ときどきリフォーム

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陶芸家ユニット 手島に暮らすvol.5

アキリノcolumnは、京都から香川県丸亀市の離島、手島に移住してきた陶芸家、松下龍平さんに古民家のDIY体験談を思いのままに綴ってもらう新企画です。どうぞお楽しみください。

文/写真 松下龍平

一緒に陶芸活動をしている松原恵美さんと、2019年春に瀬戸内海の離島、手島に移住。自分たちで古民家を改修しながら、「てしま島苑」の名で陶芸活動をしている。海岸の土や収穫後の野菜の残渣(ざんさ)、見頃の終わった向日葵など、島の素材だけを使ったやきもの “手島焼き” を制作している。住まいの他にギャラリーや工房スペースも改修中。

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2019年、この家に初めて訪れた時、歩くだけで土埃の舞っていた床は、信じられない程美しく、平らな床になりました。しかし、今はまだ屋根と柱、数面の壁のみ。まだまだ”家”と呼ぶには程遠い姿です。殆どの土壁を壊し、柱も一本抜かれた状態。
そこで耐震補強の為にも2×4工法で壁をつくっていく事にしました。2×4工法とは、フレーム状に組まれた木材のパーツに合板を打ち付けパネル化し、それらを組み合わせ”面”で支える工法の事です。
2×4はホームセンターですぐに手に入りますし、一つ一つはそれ程大きくないパーツを組み合わせて強度を出すこのやり方は、素人にもつくりやすそうに思えました。取り掛かる前までは・・・
真っ直ぐな木材を、水平垂直になるようにしていければ、そこまで苦労はしなかったと思います。

ただ、ここは築百年以上の古民家。柱は傾き、丸太の梁はその木が”樹”であった頃の通り曲がっています。
この家には水平垂直が無いのです。
この事が改修が終わる時までずっと私達を悩ませ続けました。傾き曲がった家の骨組みに合わせ、
2×4でパーツをつくり嵌めていきます。そして、それに合わせスタイロフォーム断熱材を切り、2×4パーツに嵌めていきます。一発で綺麗に嵌まる事は殆どなく、嵌めては外し、バラして微調整の繰り返しでした。パーツづくりは大変ですが、今まで何も無かった所に面ができ、視界が徐々に遮られていきながら、建物としての強度を上げていく様は作っていてとても気持ちの良いものでした。

次回は合板を打ち付け、そこにパテ補修をしていきます。

次回、陶芸家ユニット手島に暮らすvol.6 は、9月末発行のアキリノstories06でもご覧いただけます。

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