あき家(空き家)とリノベ ときどきリフォーム

パートナーインタビュー

パートナーインタビュー

丁寧に聞く。施主に伴走して「暮らしづくり」をサポート

佐伯工務店

小豆島と高松の2拠点で、新築住宅はもちろん、古民家を再生して現代の暮らしづくりを提案している佐伯工務店をご紹介します。


築150年の古民家リノベーションの施工例(三木町)

 

「施主の疑問に対する答えは、分かりやすく丁寧に」施主の思い描く暮らしを実現するために、よく聞き、提案を入れながら答えるという佐伯 博伯さん。佐伯さんが関わった施工事例の取材で「ああしたいこうしたいと、どんなことを言っても、はいはいって頷いてくれる」「けっして多くしゃべらないけど、兄みたいに話しやすい」と、ニコニコと答えてくれた施主の姿が思い出されました。「家は人生で幾度もない高い買い物で、施主の思いや疑問は複雑になりやすい。だから、思考の余白を作れるように、できるだけシンプルな言葉で答えていきます」。けして多くは語らないけど「顧客利益の最優先」の思いに触れると、いろいろと相談したくなるのが分かる気がしました。

 

築100年の古民家リノベーション・カフェの施主と佐伯さん(丸亀市)

 

佐伯工務店は、1973年に父の美智雄さんが小豆島で創業しました。白木(無垢材)を使い、大工の仕事が楽しめる和風建築を得意としています。兄である透さんが代表になり、高松市内の施工が増えはじめた頃、当時、東京で集合住宅の販売営業をしていた佐伯さんに高松営業所を任したいと誘われたそうです。現在も少数精鋭の体制で、新築からリノベーションまで「顔のみえる」工務店として活動しています。佐伯さんが提案する天然木を使用し大工仕事が楽しめる住宅は、木の香りが漂う家として幅広い世代に選ばれています。また、ワークショップイベントを通して、暮らしづくりを楽しんでもらうために、晴れの広場ciel〜シエル〜という貸しホールをモデルハウスの前に併設しました。さまざまなイベントが開催されていて、老若男女が集い地域コミィニティの育みの場としても活用されているようです。

 

晴れの広場ciel〜シエル〜 自由に使える貸しホール施設が併設しており、暮らしづくりのイベントなど行われています。

佐伯工務店 高松営業所

 

「古民家の面白さは、一つひとつ真面目につくっているところです。また、建てた大工の性格や癖(仕事)も分かって楽しいですよ」。
約30年前までは、家の図面は棟梁が考え、大工(や施主)に伝えるために、板に平面図(図板)を書いていました。それを元に、近くの木を切ってきて、現場で加工して組みます。丸太の木を使うという事は、それぞれにサイズも違うので、現場で合わせの作業が必要になってきます。棟梁をはじめ大工は、知識と技が求められ、繊細だったり、大胆だったりと性格がでるそうです。
「子供の頃、朝庭先で丸太をチョウナで木を削っている音で目が覚め、夕方になると暖を囲んで談笑する大工達を見てカッコいいと憧れていました。今も現役の彼ら達との仕事は、信頼関係において唯一無二です」。今では、大工の個性や技術を活かしたいと、古民家の魅力を広め活用する「香川県古民家再生協会」を運営しています。「若い大工の担い手をどう育てるか? 自分の知識を全部渡してもいいと思える人を募集しています」と、顔をクシャリと綻ばせました。これから、佐伯さんの営業・設計・現場監督まで「なんでもできるスキル」が、引き継がれていくのが楽しみになりました。

 

佐伯工務店 本社スタッフと

ある日の現場のお昼風景

Interview 2020.9.18

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