パートナーインタビュー
心に効く空間を創るインテリアセラピー。 次世代の人材の育成にも尽力
ドラゴンファクトリー
三好里香さんはインテリアデザイナーであり、コンセプトメイクから、設計、コーディネイト、ディスプレイまで、全ての工程をトータルに手がけます。ホームステージング、マーチャンダイジングなども含め『繁盛店をプロデュースする』店舗コンサルとして活躍しており、その活動は多岐に渡ります。息つく暇もないのではないかと思うほど多忙を極める三好さんに会いに訪ねたのは、女性用サロンの施工現場でした。
仕上げ段階の現場(店舗)に入ると「素敵!」と思わず声がこぼれてしまいました。ブルーのアクセントカラー、照明、心がほぐれ癒されるように計算され尽くした空間は、リュクス女性に向けてのコンセプトデザインのようです。そのうっとりするような空間で三好さんが取材に応じてくださいました。
三好さんは、フリーランスのインテリアスタイリストを経て、1987年インテリアデザインオフィス「LEE PLANNING」を設立。以来、空間デザイナー、コーディネーターとして活躍します。また、1995年からは、インテリア専門学校非常勤講師の顔も持ち、延べ700人以上にインテリアの実習を指導してきました。1999年には、インテリア雑貨ショップ 「dragon factory」を開店。『インテリセラピー』を見える化したセレクトショップとして、家具やインテリア雑貨を扱っています。また、店舗設計だけでなく、住宅リノベも多数手掛けていて、心癒される空間をデザインするという意味では、どちらも同じ手法とのこと。
住宅リノベで印象に残った物件をたずねると、「倉庫の2階にワンフロアの住居スペースを作ったお家。オンリーワンにカスタマイズされたコンセプトだと、俄然スイッチが入りますね」と三好さん。三好さんは、空間と心の関係性を、「インテリアセラピー」という言葉で表現します。『インテリアを変えると、生き方が変わる、どんな空間で過ごすかで、未来は変わる。』つまり、人生を変えたければ環境(インテリア)をかえましょうと、話します。
「家ならば、いい空間(リビング)には自然と家族が集まって、笑顔が増えるんです。つまり、自分がいるその空間そのものが、ココロもカラダも運気も上げてくれるということ。
「捨てること(断捨離)=ストレスフリーではなく、自分にとって大好きなお気に入りのモノや、いい想い出のモノと一緒に暮らす、その空間そのものが、住む人にいい波動を送りこんでいて、『心地いい』に繋がります。すぐに捨てたくなるようなモノを安易に持ち込まないこと、そして、自分にとって『大好き』といえるモノをちゃんと選べる目を持つことが大事なんです」
さらにインテリアは、パワースポットとして未来の運気を上げる鍵を握っているとも言えるのだとか。いい空間を得て、そこに身を置くだけで、空間そのものが住む人を癒し、ひいてはそれがライフステージアップにつながるのだそうです。
三好さんが目指す「心に効く空間づくり」は、家づくりや主婦のためだけでなく、店舗やオフィスにも応用されています。人を魅了する空間に、商談がポンポン決まるテーブルや、スタッフのモチベーションがあがるワークスペースがあれば運気や業績アップにつながるという話に、惹きつけられました。
いつも独自のセオリーに基づいている三好さんは、「繁盛店」づくりを客観的に提案しています。中でも女性ならではの視点を必要とする店舗から相談を受けることも多いのだとか。例えば、飲食店(カフェ・レストラン・バーなど)、サロン(美容室・エステ・ネイルサロンなど)、ゲストハウス・ホテルなどが得意で、いずれも「女性の気持ちを上げるというコンセプトメイクが大事なジャンル」と言います。デザインや色はもちろん、小物のスタイリングまでトータルプロデュースするというスタイルにこだわり、一貫性をもった提案をしています。
30年のキャリアをもつ三好さん。常々感じてきたことがあるそうです。
「建築設計の後回しにされがちなインテリア。インテリアコーディネーターの社会的ポジションも、まだまだ低く、建設会社に就職しても、なかなかクリエイティブなポジションの仕事につけていないICも多いんです。だからこそインテリアが好きで、インテリアを仕事にしたい若いコーディネーターを応援するためのセミナーやスクールも始めました。将来的には、女性の感性や能力を活かることができる、クリエイティブ集団を作りたいですね」
いい空間を作るには、デザインから施工、スタイリングなど全てが一本のコンセプトでつながっていることが大事と言う三好さん。
今後の目標は「私のセオリーに共感伝承してくれる、次世代の人を育てること」と言う通り、熱い思いを次世代につないでいます。
Interview 2020.8.28