あき家(空き家)とリノベ ときどきリフォーム

文学不動産

file-41 A place of sunny sun that gently snuggles up穏やかに寄り添う陽だまりの場所

August 06, 2021

はるくもsun

食材もリノベも素材にこだわる

丸亀市綾歌町の「綾歌総合文化会館アイレックス」の裏手東側にある、しあわせのパンとカフェの店『はるくもsun』。
 古民家というにはまだ築浅だが、空き家をリノベーションした店だ。駐車場も広く、気軽に訪れることができる。
 店長の堀内若菜さんは、その店名のように、ほんわかとした雰囲気の朗らかな口調で話す人だった。
「ここに移転して来るまでは、店舗を借りて営業していました。でも賃貸ではままならないことが多くて。自分で所有して、使い勝手が良くなるように直していくのが理想的だなと思い、物件を購入することにしました」
 新築は初めから考えておらず、中古物件を色々な手段で探していたそう。

左:向かって右側の扉はパン屋の入口。左側はカフェの入口になっている 
右:カフェ部分の広縁

思った物件がなかなか見つからず難航していた頃、知り合いの不動産から広くていい空き家があると紹介されたのが、現在の店舗だった。
 しかし、当初この家は長く空き家だったものの、まだ売りには出されていなかったのだという。
 持ち主はすでに他県で生活の基盤を持っており、使う予定はないものの手放すことに躊躇していた。そこをなんとかとお願いし、何度も交渉を重ねてやっと手に入れることができたのだとか。
 予算内に収めるため、土壁に漆喰を塗るなど自分でできるところは自分でし、できるだけ出費を減らしたが、ホルモン剤を使っていない天然の木材や漆喰など、素材には費用を惜しまなかった。
「天然素材にこだわって、自家製酵母種を使ったパンや食材を提供しているのだから、店にも天然素材の良いものを使いたかったんです」と堀内さん。

左:パンの工房。壁の漆喰は堀内さんが塗ったのだとか 右:パン屋の店内。正面はレジ

左:コーヒーにも定評のある『はるくもsun』。オリジナルのコーヒー豆も
 右:詳しい説明の入ったPOP

カフェとして使っている主屋は、あまり手を入れていないそうだが、畳を新調し、フローリングのテーブル席を設けるなど、子ども連れでも単身でもくつろげる広々とした空間になっている。
 広い敷地に畑もある。パンだけでなく、パンのおいしいカフェがしたかったという堀内さんにとって、十分過ぎる物件だった。
 安心して食べられる優しい味わいのパンを作っている『はるくもsun』。まるでおばあちゃんちに来たような、どこか懐かしくほっこりした気持ちになった。

  • ー2021年8月

    広々としたカフェ。小さな子ども連れでも安心して食事が楽しめそうだ

      

    駐車場から見た店舗外観

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