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Event report手間を楽しむワークショップ

April 10, 2020

三好里香/ドラゴンファクトリー

桜が咲き始めた3月末、インテリアと食べることが好きな女性達が集まってリノベトークライブが開催された。

香川を中心に第一線で活躍するインテリアデザイナーの三好里香さんが「丁寧な暮らしに憧れながら日々頑張っている人が集まって、美味しいごはんを囲みながらリノベトークライブがしたい」と企画した。

 ゲストは、高松市紫雲町にあるマンション「Room+」を、リノベーション企画・施工した山上武徳さん。会場になったのは、そのマンションの一室にある発酵料理教室 キッチンスタジオ日々で行われた。

  • ライブトーク
  • 外観

三好里香/インテリアセラピスト、コーディテーター。インテリアセラピースクール、ホームステージングなどを手がける。インテリア&雑貨を扱うショップオーナー。女性起業家や起業したい人の応援セミナーを定期的に開催。
山上武徳/店舗プロデュース、リノベーションデザイナー。カレーとチャイとプリン ヤエ食堂(現在休業中)オーナー。
ヤエ&アソシエイツ代表

  • ヤエ食堂
  • ヤエ食堂

山上さんは現在、綾川で築100年になる古民家を2年かけてセルフリノベした「ヤエ食堂」というカレー店を営む。スパイスのきいた本格カレーは、カラダが覚える旨さだ。1度となく何度も通う人が多い人気店。

ー デザインで大事にしていることは?

【山上】例えばブルックリン風なんてワードが今流行っているけど、僕らに言わせるとそれは昔からやっていること。流行を追うでのはなく、時代とスタイルの幅を持たせて、飽きのこないデザインするという事が大事かな。
 また、デザインをイメージして、実際自分で動いてつくることが楽しいので、自分の所有する物件は基本全てセルフビルドする。例えば、このビルの一部屋の床を塗装するのに丸2日かかる。その作業を16室全部ほぼ一人でやりきりました(笑)
 ヤエ食堂は、綾川町の古民家をリノベーションしたもの。他の場所から移築された100年以上経つ家。空間に和テイストを合わせるにはつくりやすい。けれど、僕はチーク材や鉄、アジアの椅子をスタイリングする。素材と素材の掛け合わせで価値を作り出すのもリノベーションの醍醐味です。

ー 個人宅と店舗のリノベーションの違い。

【三好】心に効く感動空間を作るという意味ではどちらも同じ。最初にきちんとコンセプトを作ること。未来へのストーリーを立ててあげて、人生を変える空間でハッピーになってもらいたいから。例えば、テレビ番組で街角でファッションアドバイスするのを見たことがない? スタイリングしてもらうと、そのコーディネイトにすっぽりと入っちゃって新しい自分の個性に気が付くの。リノベーションする時、お客様のライフステージアップにつながらないと意味がないと思っているので、依頼者の要望を入れ少し大きめのキャパを用意する。その人のキャラ(個性)を濃くしちゃうような。
 新築の家を建てる人よりリノベーションの方が、好きなモノやこだわりの生き方など、その人らしい個性を空間に込める事ができる。

事例

三好さんが手がけたリノベーション物件

古い建物を壊すことは簡単だけど、同じものは二度と作れない。長く生きてきた素材達には、その存在だけでエンパワーメントな強いエネルギーを宿している。それらを現代のライフスタイルに役に立つモノや、アートにリメイクして、何とか残す。そんなストーリーがあるものが感動に繋がります。「もちろん、古いと不便なことがあるけれど、そんな暮らしこそ楽しい。カレーだって、ポンとルウを入れればできるじゃない。でも、いろいろスパイスを入れて時短でありながらも手間をかけて作る、そういうことなのよ。面倒くさいこと、不自由なこと、手間がかかること、そんなことをひっくるめて楽しむ。それも幸せなことなの」と、三好さん。今日のカレーはスパイシーでまろやか、とてもおいしかったことはいうまでもない。

 

ー2020年3月取材 *HP*

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