パートナーインタビュー
空き家のこれからを考え、管理する
空き家管理舎パートナーズ
香川県の最西端、観音寺市。海を望む場所に佇む山下建設は、昭和24年に創業し、70年以上の歴史を重ねてきた建設会社です。建設業を営む傍ら、2006年からは空き家の管理にも取り組んでいます。
「自治会の総会で、『この地域に空き家が増えているけれどどうする?』という話題が出たのが空き家管理をはじめたきっかけでした」
そう話してくれたのは、3代目の山下裕二さん。
瓦が落ちていたり、庭が荒れていたり。ご近所さんから心配の声が上がる空き家。しかし所有者は県外に住んでいることが多く、その状況が届いていないケースも少なくなかったといいます。そこで山下さんは「自分たちでできることをやろう」とサービスの一環として空き家管理に携わるようになりました。
2006年には空き家管理舎のホームページを立ち上げ、現在は同じロゴのもと全国に加盟店を持つネットワークへと広がりました。問合せは各加盟店へとつなぎ、お客様それぞれの状況に応じた対応を行っています。
山下さんが担当するのは、観音寺市から高松市牟礼町あたりまで。現在は30件ほどの空き家・空き地を管理しています。依頼の多くは県外在住の方からで「実家が香川にあり、空き家になっている」というケースが中心。首都圏や関西圏からの相談が多く、50~60代の依頼者が目立つそうです。

空き家管理士協会主催「空き家フォトコンテスト」の作品。全国から、趣ある風景が寄せられました
「解体すると税金がかかるため、すぐに動けない方も多いんです。気づけば数年そのまま、ということも珍しくありません」
そうした状況の中で、今ある状態をなるべく保ちながら、今後の活用を考える「時間」をつくることも、空き家管理の役割のひとつです。
空き家管理舎の業務内容は、鍵の管理からはじまり、定期的な通風・換気、水回りの通水による封水対策、清掃などお客様の要望に合わせて多岐にわたります。月に一度の定期巡回に加え、台風時などには臨時巡回を行うことも。
「外から見えにくい立地の物件では、空き巣被害につながることもあります。他にも火災や不法侵入の話を聞くこともあります」
こうしたリスクを防ぐために大切なのが「空き家だと分からせないこと」。人の気配を保つことで、防犯につながるといいます。

危険なブロック塀の撤去や台風被害の調査にも対応
また、山下さんは補助金や法律に関する情報もコラムとして発信。建設会社としての知識も生かし、修繕や工事の相談にも対応しています。
今後については「全国各地に加盟店を広げていきたい」と語る山下さん。そしてその先に見据えるのが、空き家の「活用」です。
「例えば、空き家でサフランを育てている事例もあります。耐震の問題で住めない場合でも、住居以外の使い方は考えられるんです。」
他にもデイサービスや民泊など空き家の可能性はまだまだ広がっています。
「まずは、早い段階で空き家バンクに登録してみてほしい」と話す山下さん。そこから相談や補助金の提案ができることもあるといいます。

カフェのように落ち着ける雰囲気の事務所
空き家を「放置するもの」ではなく、「未来につなぐ資源」として捉える。
山下さんはそんな視点で空き家の未来を考えています。
困った時に気軽に相談できる、頼れるご近所さんのような存在として______。
これからも地域寄り添いながら、空き家のこれからを支えていきます。
Interview 2025.1.22
