あき家(空き家)とリノベ ときどきリフォーム

パートナーインタビュー

パートナーインタビュー

アーキテクトビルダーであり、 実はまちづくりの仕掛人。

金丸工務店

アーキテクトビルダーとは、「設計」と「施工」の両面の責任を持つ人のことです。「KANAMARU STYLE」はまさに地域に根ざしたアーキテクトビルダーであり、設計事務所の強みである「洗練されたデザイン」と、工務店の強みである「住みやすく安全な造り」の両方を兼ね備えた住宅・施設建築を得意としています。

夏の日差しにそよぐ木々の緑と白とナチュラルな木材を基調とした建物の対比も美しい

「金丸工務店」の事務所は、三豊市にあります。『暮らしの森』と題した施設の、カフェ兼料理教室・雑貨店・ベーカリーを併設していて、さながら小さな街のようです。

さわやかなグリーン。「三豊市みどりのカーテンコンテスト」にて受賞経験も

代表取締役の藤田薫さんにお話を伺いました。
「ロングライフデザインを視野に入れつつ、断熱性・耐震性に優れた家づくりが当社の特徴です。パッシブハウスとは、機械に頼らず、住み心地の良さを追求した省エネルギー住宅のことですが、現在は、熱環境性能を数値で表し、効果をはっきりと提示することが可能です。リフォームの際には、住む人のために、耐震改修をすると同時に断熱改修もご提案しています。暮らしをチューニングする役割も私たちにはあるんです」

代用取締役 藤田薫さん。事務所には大量の本が並ぶ本棚があります

また、藤田さんは、“まちをげんきにしたい”と「まちづくり工務店」という役割も担っていて、三豊市のまちづくりのイベントの企画・運営にも携わっています。
「地元三豊での暮らしの中で、発見や出会いをお届けしたいと思っています。今の社会だからこそ、対面販売で会話をしながら買い物を楽しむことが求められていると思います。マルシェに注目したのは、観音寺市で2008年からアーケードをジャックして開催していたイベント“まったりHOLIDAY”の中心人物で、三豊市の雑貨店の店主である島崎ふみ子さんとの出会いがひとつのきっかけでした」
「若い人に三豊エリアに住んで欲しいという気持ちで、地元の交流センター広場や財田川沿いなどで『暮らし広場』を開催しました。これは、島崎さんと一緒にプロデュースしたマルシェなどのイベントで、人々が三豊の町を回遊できる仕組みにしました」と藤田さん。
そして2015年には、季節を感じつつ、豊かで素敵な暮らしを提案・発信する「暮らしの森」を始めたそうです。衣食住をシンプルに楽しんでもらいたい、そして、若い人の集いの場になって欲しいという思いも込められています。

「暮らしの森」の看板を目印に。事務所・カフェ・ベーカリー・雑貨店・料理教室おひさまシフォンが併設

カフェ「むく食堂」。デザートはテイクアウトも可能

雑貨ショップ「BOUTON PLUS」雑貨ショップ。2階のスペースはショップが入れ替わるので、いつ行っても楽しめます。「もりのがっこう」も開催しています

また、金丸工務店が開催する「こども工務店」は、大工さん、瓦職人さんなど、家づくりに関わる様々な職人さんの仕事を本格的に体験できるイベントとして毎回好評を得ています。「体験した子供たちに将来現場で再会するのを楽しみにしています」と藤田さん。
「三豊市豊中町のJR本山駅前の空き家の入居者を探していたところ、『UDON HOUSE』さんが入ってくれて、街の活力づくりの拠点として貢献してくれています」

UDON HOUSEは、東京から移住した原田佳南子さんが運営する体験型宿泊施設で、うどん作りと農園ツアーなどのプログラムが体験できます。
「現在はテレワークなどで2拠点居住も可能です。一定の期間、三豊の企業で働いてみませんか。という案内も行っています」
また、リノベーションに関して、三豊市仁尾町で空き家を店舗にする活動をしている他、要望の多い「おとな工務店」的に、素人さん向けに、職人の技を教えるスクールも開講する計画だそう。
「空き家を店舗に使ってもらうために、私たちが手を加えるのは水回りなどのインフラづくり。仕上げは地元の方々に行ってもらいます。興味のある方に対して、職人の技を教えるスクールを開催して、講座修了者には認定書も準備する予定です。店舗を持ちたいけれど、開業資金に困っている方も多いので、自分でリノベーションすることで、最初のハードルを下げることができますし、趣味と実益を兼ねて将来的に職人に育ってくれてもいい。それで、空き店舗が減って、まちが元気になってくれれば」
藤田さんは現在、地元の企業11社と会社を設立し、荘内半島で宿泊施設を設計施工で建設中だそうです。藤田さんの原動力は“地元を元気にしたい”という強い気持ち。そして藤田さんの人柄と考え方に惹かれて集まってくる人たちとのネットワークも大事にしています。

カフェのスタッフさんと談笑中の藤田さん

Interview 2020.7.1

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