パートナーインタビュー
冬を楽しむ、薪ストーブのある暮らし
メトスプランニング
令和7年10月、高松市元山町に移転オープンした「メトスプランニング」のショールーム。薪ストーブ約40台、サウナ室5台をずらりと展示し、西日本最大級ともいわれるこのショールームでは、実際に薪ストーブに火を入れたり、サウナ体験を楽しんだりできる「体験型ショールーム」として、多くの人々を魅了しています。

代表取締役の廣澤徹さん
今回は、代表取締役の廣澤徹さんにお話を伺いました。
メトスプランニングのはじまりは昭和61年。廣澤さんの父が建材店として創業し、キッチンなどの住宅設備とともに薪ストーブも一部取り扱っていたといいます。
「実家は徳島にあるのですが、昔から家には暖炉があって、家の中に炎がある環境で育ったんです。暖房としての機能以上に、炎がつくり出す時間や雰囲気に、子どもの頃から価値を感じていました」と廣澤さんは話します。
前職は塾講師。大学卒業後、一度は全く違う進路に進みましたが、父の仕事を継ぐことになりました。最初は塾と建材店を平行して続ける中で、「薪ストーブの魅力をもっと広めたい」という思いが徐々に強くなり、平成15年、薪ストーブ専門店として「メトスプランニング」を設立しました。
薪ストーブの魅力について尋ねると、「暖かさの質が別物なんです」と即答。薪ストーブは炎で直接暖めるのではなく、鋳物のストーブ本体が熱を蓄え、遠赤外線の輻射熱で家全体を温めるのだと廣澤さんは説明します。
「私自身、エアコンの温風が苦手で」と廣澤さん。薪ストーブは体の芯からじんわり温まり、一度暖まった身体は外に出ても冷えにくいといいます。さらに、部屋の湿気を調整し、結露やカビを防ぎ、空気の質も変えるため、「風邪をひきにくくなった」という人もいるそうです。
もちろん手間もかかります。薪の調達や乾燥、生木によるトラブルなどです。「でも、その手間を楽しむ暮らしこそが薪ストーブの本質なんです。逆に冬が待ち遠しいというお客様の声もよく聞きます」と笑顔で話します。

モデルスペースの中央に設置されたデンマーク製HETA「スクルドブラックウッド+オーブン」。ヨーロッパでは竪型か主流なのだそう
メトスプランニングでは、特定のメーカーに偏らずほぼ全メーカーを取り扱い、約40台という圧倒的な展示数を誇ります。メーカーごとに特徴があり、間取りや生活スタイルによって合う・合わないがあるそうです。「実際に見て、触れて、火を体験しないと、本当に合うものは選べません」と廣澤さん。豊富な展示は、選択肢を広げたいという思いの表れです。また、生活動線や家族構成、建物の構造に合わせた提案など、単なる商品販売にとどまらず、暮らしのデザインとしての提案も行っています。

ショールームには薪ストーブ、ペレットストーブがズラリと並びます

本場北欧や国産の室内用サウナ室を3台設置。熱を入れて体感もできます
さらに、四国・岡山エリアを中心に毎年のメンテナンスを自社スタッフで実施。なかでも特徴的なのが「煤(すす)診断」です。煤の重さを計測し、使用した薪の量と比較することで、使い方の上手・下手を診断します。乾燥不足の薪を使うと煤が増え、針葉樹ばかり焚くとベタつくといいます。元理系講師ならではの分析力とデータ化された資料により、「診断を受けると薪の焚き方がどんどん上手くなった」という声もあります。
施工面でも信頼が厚く、後付けの薪ストーブ設置では屋根工事まで任されることも多いそうです。
「これまで何百件に及ぶ施工を手がけ、信頼を積み重ねてきました。万が一にも安心していただけるよう、雨漏り保証もご用意しています」と廣澤さん。
オフの日は意外とインドア派の廣澤さん。「スタッフはアウトドア派が多いんですが、私は無類の映画好きで、2週間で3本くらい観ます。それも映画館で。ついつい涙することもあるんです」と苦笑いします。
旅行も好きで、先月はサウナ研修でフィンランドへ。サウナ体験と製造工場見学を通して、「国が変わると設備や思想も全然違うんです。ものづくりって本当に奥深い」と語ります。こうした背景まで知りたいという探究心が、薪ストーブ選びや施工へのこだわりにも通じているのでしょう。
最後にアキリノ読者へのメッセージを伺いました。
「薪ストーブに興味がある人だけでなく、知らない人にもその魅力を知ってほしいんです。まずは体験してください。ここは、知らない人が来ても楽しめる場所です」。
冬を待ち遠しくさせる道具。暮らしに手間と楽しみを与えてくれる存在―それが薪ストーブです。
廣澤さんの薪ストーブへの深い愛情、そして何より「楽しんでほしい」という思いが、ショールームの一つひとつに息づいていました。

敷地内には薪で楽しむ屋外用サウナを展示しています。左:移動可能なサウナトレーラー「メトスアせマ」右:丸いフォルムが可愛らしい「イーグルサウナ」
Interview 2025.11.27
