あき家(空き家)とリノベ ときどきリフォーム

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三豊市仁尾

町のストーリーに浸る旅 三豊市仁尾

April 09, 2021

製塩業や海運業で大いに栄えた仁尾の町。いぶし銀の屋根瓦の町並みに、かつては30もの寺が立ち並んでいた。古き良き時代の面影を残すこのエリアには見どころが点在しており、徒歩での散策にもぴったり。

半日かけて散歩をした後は、町中の古民家ゲストハウスに泊まってみよう。仁尾の歴史をぐっと深く体感できるはず。

仁尾は不思議な町だ。今や大人気観光地となった父母ヶ浜のほど近くにありながら、ここにはゆっくりと落ち着いた時間が流れている。趣のある家々や寺の間には細い路地がいくつも延び、思わず足を踏み入れたくなってしまう。

仁尾の繁栄を大きく支えたのは製塩業と海運業だ。多くの船が瀬戸内海を行き交っていた江戸時代後期、仁尾の町は人とモノが集まる、いわば交易の要港だった。恵まれた日照時間の長さを活かして製塩業も盛んに営まれていた。こうした産業を一手に担っていたのが塩田忠左衞門(しおたちゅうざえもん)翁。

塩田家は四国でも有数の名家として知られ、町の繁栄に貢献した一家だ。ちなみに船が交通の主要手段だった当時、翁が「鉄道は要らない」と言ったから仁尾には鉄道がない、というのは地元ではよく知られた話。しかし、鉄道がなかったからこそ今なお当時の雰囲気を残しているのかもしれない。
 

通りに残るお寺と昔懐かしいお店の数々。そのどれもが、仁尾の歴史を物語っているっこの町だけのストーリーを味わいに、いざ出発。

 

町歩きの最初には、言わずと知れた老舗「伊藤製パン所」に行ってみよう。近年人気を博すハード系とは対照的な、昔懐かしいおやつ系のパンがそろう。先代が開業した約70年前はまだまだパンはもの珍しかったが、香川随一のみかんの産地である仁尾では、親戚や近所が集まったとき農作業の合間に食べるおやつとして、パンを買い求めていく人が徐々に増えたのだそう。かぼちちゃやそら豆など季節の餡が入った素朴なあんパンは、現代のお茶請けにもぴったりだ。

当時は町内に7店舗もあったというパン屋だが、今も残るのはここ「伊藤製パン所」だけ。現在は店主・千鶴子さんが一人で店を切り盛りしており、月曜から土曜まで毎朝4時に仕込みを始めるというから敬服してしまう。「私に変わってから味がよう(良く)なった、いう人もおるんよ~」とお茶目な千鶴子さんの、柔らかな讃岐弁にも癒される。

伊藤製パン所/tel.0875-82-2240

 

 

続いては、仁尾のメイン通り“なかんちょ(中の丁)”を北上しよう。

仁尾酢で知られる中橋造酢の大きな醸造蔵を通り過ぎてしばらく北上すると、立派な瓦屋根の邸宅が見えてくる。塩田忠左衞門が住んでいた大邸宅「松賀屋」だ。築約100年、敷地も約2,770㎡と広大で、母屋玄関の大きな沓脱石や階段手すりの松の彫刻など、装飾品や調度品に職人の技を見てとれる。

空き家となっていた時期もあったが2014年から地域活性化の拠点としての活用が始まり、現在ではレンタルスペースとしての貸し出しのほか、地域の人々の手で保全・調査活動が行われており、月に数回の公開日には内部を見学することも可能。スタッフの都合がつく場合には仁尾の歴史などについて解説を聞くこともできる。
仁尾のたどってきた歴史を体感するには外せないスポットだ。

松賀屋/info@nio-matsugaya.com

 

 

 

次は、石垣が特徴的なお寺「大寧山 覚城院」へ。その昔、四国統一を目指した長宗我部元親に攻められ落城してしまった町のシンボル・仁尾城。その跡地に建造されたのが現在の覚城院である。

城が落城したのが旧暦3月3日だったため、仁尾では桃の節句や端午の節句のお祝いが控えられるようになり、代わりに旧暦8月1日に八朔(はっさく)祭りが執り行われるようになったのだとか。今でも祭りの日には、子どもたちの健康と幸せを願って飾られた人形が通りを賑やかに彩る。覚城院境内からは仁尾の町並みを一望できる。本尊の千手観世音菩薩は“清水式”という珍しいポーズをとった秘仏で、若きご住職曰く公開時には仏像ファンも来訪するとか。

冬にはライトアップも計画中とのこと。父母ヶ浜で夕暮れを見た後は、覚城院にぜひ!

冬にはライトアップも計画中とのこと。父母ヶ浜で夕暮れを見た後は、覚城院にぜひ!
覚城院/tel.0875-82-2051

 

 

 

覚城院の階段を降りると、何やらいい匂い。ここ「長兵衛」も、長らく地域で愛される老舗中の老舗だ。

創業は昭和初期。うどん店だが一番人気なのは中華そば。のれんをくぐったら迷わず中華そばを注文。すっきりとした鶏がらベースのスープにお隣・観音寺から取り寄せるストレート麺、懐かしさをそそるハムがトッピングされて郷愁を掻き立てる。手づくりのチャーシュー、もやしやネギなどの具もベストバランス。海苔はお好みでトッピングを。お盆や正月に家族そろって食べにくる地元の方も多い、というのも思わず納得。仁尾に来たら必ず食べに来たくなる食堂だ。通常は麺がなくなると営業終了だが、大晦日だけは深夜まで営業している。覚城院で除夜の鐘をついた後、食べにくるお客さんが多いのだとか。

長兵衛/tel.0875-82-2141

 

 

 

お腹を満たした後は「大井温泉」でひとっ風呂。先ほどの「伊藤製パン所」のすぐ近くにあり、入口にうっそうと繁茂するグリーンが雰囲気満点!今や少なくなってしまった昔ながらのザ・銭湯である。

1968年に、旧「寿湯」から引き継いで開業した「大井温泉」。現在は3代目となる大井正男さん・康代さんご夫妻が営む。タイル張りの浴槽に、あんま機や被るタイプのドライヤーもあって懐かしい。

オープンは15時だが、毎日10時には薪を炊き始めるのだとか。

薪で焚く熱めの湯は各々「調整しもって(しながら、の香川方言)」入るべし。大きな浴槽の他に、電気風呂とスチームサウナもある。

のんびりポカンとお湯に浸かれば癒されること間違いなし。菖蒲湯や柚子湯など、季節ごとにイベント風呂も開催。

湯上りには心まで温まったような気分になるはずだ。定番のコーヒー牛乳を始め、懐かしいドリンク類も充実!腰に手を当てて飲み干したい。先代が営んでいたという園芸店から引き継いだ、建物横の多肉植物も必見だ。
大井温泉/tel.0875-82-2304

 

 

 

最後は、運河を挟んで海側のエリアにある「ショッピングストア今川」に立ち寄ろう。お客さんで賑わう店内を歩けばちょっと地元民気分で嬉しい。毎週火・土曜日に開催される朝市は、お得な特売品を目指して、多くの人で賑わう。

できたてのお惣菜や蒲鉾・天ぷら、地元仁尾産のみかんや近隣の漁港で獲れた鮮魚など、産地ならではの商品が豊富にそろう、まさに“仁尾のだいどころ”。香川らしい食卓をダイレクトに感じてみよう。

 

スーパーマーケット以外にも、新鮮なフルーツを使ったかき氷店を展開したり離島や過疎地域で移動販売をしたりと、多方面から地域の食を支えている「今川」。地域密着型の頼もしさが地元で長く愛される所以だ。
今川/tel.0875-82-2288

 

飾らない町並みの中に長い歴史と懐かしさを体感できる仁尾の町。どこかほっとする雰囲気は、日々の喧騒を忘れさせてくれる。次の機会にもあちこちを散歩してみよう、と思えるはずだ。

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