エリア情報
高松市街地
自転車で巡る朝活スポット アクティブに楽しむ高松市街地
May 14, 2021
早起きした者だけに許される静かで心地よい時間は何にも代えがたいもの。しかし、のんびりまったりな気候のせいか、高松で朝早くから遊べるスポットはやや少なめ。せっかくなので全部回って充実の朝時間を過ごしてみるのも良いかもしれない。
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、営業状況が変更になっている場合があります。事前にご確認ください。
早朝6:30、高松港にほど近い玉藻公園。
毎週金曜日に「お城ヨガ」が開催されていると聞きやってきた。
桜が満開(取材日は4月)の、その名も「桜の馬場」という広場まで来ると、人がちらほら集まってきた。みなさん手際よく自分のゴザを敷き、靴下を脱いでスタンバイ。
「お城ヨガ」の始まりはじまり。
この日の参加者は10人弱。講師の中西さんのレクチャーにしたがって、ゆっくりと身体をほぐしていく。さっそくエディターMも参加。ゴザに寝そべると目の前に広がるのは青々とした空!やわらかな芝生の地面も、やさしい風も心地よい。これは、良い時間を過ごせそうな予感…。
「肋骨を開いて~」「腕はおへそから伸ばすイメージで」「胸の真ん中が真横に来るように~」などなど、中西さんのことば通りに身体を動かしてみると、想像以上にやわらかく伸びる!えっ、まだ動かせるんだ!と自分の身体に驚き必至。
一通りほぐしたら眠かった頭もすっきり冴えて、心身ともに調子は万全。最後にもう一度しずかに寝そべり身体を休める。この時間がなんとも豊かだ。
ポーっというフェリーの汽笛、ことでん(香川県内を走る私鉄)の踏切の音、道路を行き交う車の音に、チュンチュンさえずる鳥たち。
時折ふわっと吹き抜ける風は春ならではの香りがして、心の底からリラックスできる。高松って良い街だな、と思えるひとときだ。
2014年から始まったというお城ヨガ。朝の時間を有効に使いたいという知人の声に応え、玉藻公園に企画を持ち込んだという中西さん。ちょうど玉藻公園でも早朝にできる催しを検討していたところで、お城ヨガの開催が決まったのだそう。
参加者は多くても15人ほどで、男性もいる。初心者や飛び込み参加も歓迎!とのことで、安心して参加できる。予約は不要、4月から9月までの毎週金曜日、6:30に500円持って玉藻公園に来るだけ(雨天等中止、要確認)ととにかく気楽なのだ。
ヨガマット代わりのゴザは、実はもともと披雲閣(ひうんかく・玉藻公園内にある松平家の旧別邸)の畳だったもの。
殿様もこんな風に早朝の春風を楽しんでいたのかな…、と思いを馳せてみるのも良いかもしれない。
ヨガで身体が目覚めたら海沿いを一路西へ。高松駅から2kmくらいの場所にある「おけいちゃん」に行こう。ランニングや朝サイクイリングにもちょうどいい距離だ。
「高松市中央卸売市場」関連棟内の「おけいちゃん」は、朝6時頃から開店。季節の魚介を刺身、天ぷら、カマの塩焼きなどで味わうことができる。朝イチは市場関係者で賑わい、その時間に活気を体感するのもいい。9時頃からは落ち着くのでゆっくり食べることもできる。
うれしいのは、朝は単品オーダーであるということ!
ご飯と味噌汁もあるので、ガッツリ定食にすることもできる。
暖簾をくぐり、ガラガラと引き戸を開けると、カウンター席がずらり(テーブル席も有り)。
「いらっしゃい。メニューは、ホワイトボードから選んでね」と、女将のミキコさんの元気な声を受け注文。結構、悩む。刺身も天ぷらもカマ焼きも食べたいし、どの天ぷらにしようかとも。
結局今回は、太刀魚の天ぷらとブリのカマ焼き、ご飯に味噌汁。贅沢になってしまった。「ご飯はこのくらいでいい? 小も大もあるからね」と聞いてくれる。ご飯は“中”でも結構なボリューム。塩味のちょうどいいカマ焼きは、ご飯がすすみ、食べはじめると箸が止まらないほどおいしい。
初めて訪れた時は、何を注文しようか悩んでいると、「久しぶりに穴子入ったけん、さばこうか?」と、声をかけてくれて、もちろん穴子を注文。このあたたかさも、おけいちゃんが50年以上続く理由だ。
居心地良く、讃岐の恵みと人に触れられ、朝からほっこり心があたたまる場所。市場の海沿いは、瀬戸内海を望める絶好スポットだ。
お腹がいっぱいになったら栗林公園へ。
日の出とともに開園するので、早起きな地元民がたくさん集まってくる場所だ。
掃除をする職員、おしゃべりにいそしむ地元のシニア、静かに太極拳をするグループもいる。彼らを横目に、心静かに庭園美を堪能する時間はとても贅沢。
香川県は松盆栽の名産地だが、ここに来るといつも、盆栽の中に迷い込んだような気分になる。実際、園内には盆栽を直植えしたという巨大な松もあって、その独特の樹形と生命力に感嘆してしまう。
庭園を入って左にある茶屋「花園亭」では風流に朝がゆをいただける。
昔、夏の初茶会で客人をもてなしていたという懐石料理が朝がゆの始まり。かゆがメインではあるものの、季節の野菜の炊き合わせや香の物も付いていて満足度が高い。春先には菜花やかぶが炊き合わせられ、桜の花の塩漬けが添えられる。
夏にはさっぱりと大葉に園内で漬けた梅干を使用(なくなり次第終了)。秋にはさつま芋や栗、冬になれば金時人参と小芋。
旬を取り入れた副菜から、もてなしの気持ちがきらりと感じられて、それだけで心が満たされる。
前日の17時までに予約すれば、翌朝食事が可能。
朝がゆを食べなくとも、朝日がきらめき緑冴えわたる園内を歩くうち、最高のスタートを切れたことを実感できる。
よし、今日は絶対にいい日になる! 鯉に餌やりスッポンに手を振り、空飛ぶ鳥に投げキッス。とまではいかなくても、「一歩一景」のこの庭を、目を凝らして歩いてほしい。日が高くなったら、さぁ、次の目的地へ。
まだまだ時間がある、というときは「Kinco.」というゲストハウスに行ってみるのも良いんじゃないかと思う。その名の通り元金庫会社だったというこのゲストハウスは2015年開業。
ハンドドリップのコーヒーとおいしい焼き菓子、モーニングやランチもあって、カフェ的な使い方をするローカル多数。ママ会や集まりに使われていることもある。もちろんWiFiが飛んでいるので、PCを持ち込んでの作業タイムにも。夜はコーヒー片手に勉強に励む方もいるそう。
朝8時からのモーニングは、「Kinco.」の宿泊客でなくても食べられる。
パンやグラノーラはじめ、すべて自家製というところにもグッとくる。季節のフルーツ(取材時は宇和島のブラッドオレンジ!)ジャムや、ちょこっと添えられたフムスも美味。焼き立てパンに塗りぬり食べるのは至福のとき。早起きしたからこそ過ごせるこの時間…ステキなモーニングタイムってうれしいものだ。
広々した空間に大きなテーブル。自分の席を決めたら本棚から気になる本をいくつか積み上げて、順にぱらぱら読んでみる。朝早くから本を読める場所って、意外と少ないのかもしれない。
本棚にはアート・旅・瀬戸内にまつわる本がたくさん。次の行先を考えるもよし、香川の郷土について学ぶもよし。高松市の南のほう、仏生山町にある「へちま文庫」セレクトの本もあり、購入も可。島に渡る予定があるなら、フェリーのお伴に文庫本1冊なんてのもオススメ。
一人なら静かにゆっくりと、何人かで行くなら、おいしいごはんを食べながらの朝ミーティングで、旅がもっと思い出深く。もちろん、旅人やスタッフの方との旅談義もまた楽し。旅のお困りごとはスタッフに色々聞いてみよう。ちなみに、IKUNASのバックナンバーも揃っている。
このエリアへの「移住体験施設」はこら