あき家(空き家)とリノベ ときどきリフォーム

文学不動産

column本島を想う

March 30, 2020

高木智仁/コネクト

フリッツ・ハンセンをはじめ、北欧家具を取り扱うインテリアショップCONNECT(コネクト)が、瀬戸内にある本島(ほんじま・香川県丸亀市)で取り組んでいるリノベーションについて書きたいと思います。

北欧のインテリアを好んで選び紹介しているのは、古さを感じさせないタイムレスなデザイン、モノとしてのしっかりとした耐久性、メンテナンスすることが可能な素材選びなど、丁寧に作られて愛着を持って永く使えるものが多くあります。また、50年以上も前のヴィンテージ家具もリペアして販売しています。北欧での買付で出会った方のお家にお邪魔をして、実際の暮らしを拝見できる機会も増えました。こういった経験を通して、暮らしのヒントになるような情報もお届けしています。

しかし、家の中のインテリアだけでは、本当に心地よい暮らしを提案していることになのだろうか? 家の周り、地域も含めて「暮らし」なのではないか? という疑問から、自分の店がある地域の活性化や空家の問題に取り組むようになりました。まず、近所にあった空家を何かできないと思案しましたが、なかなかきっかけを見つけずにいました。同じ時期に、仕事先で知り合ったデンマーク王立芸術デザインアカデミーの建築学科の教授から、日本でインターンを受け入れ可能か問い合わせがありました。そこで、建築学科の学生たちと一緒になってやれば、空家利用の面白いアイデアが、どんどん出てくるんではないか。と思い、インターン受け入れの返事をだしたのでした。そうこうする中で、瀬戸内の島でも空家リノベーション構想が持ち上がり、プライベートで海水浴などで通っていた本島でも活動を広げることになりました。

土地の魅力を再編集する

ご存知でしょうか? 香川県丸亀市の中でも一番空家率が高いのが本島らしいです。かつて島人口のピークは約4000人が住んでいたと言われていて、現在は約300人ほどになっているので、1/10以下人口が減っている計算になります。これでは、島で空家問題解消に取りかかっても根本的な原因の解決にはなりません。こういう状況もあり自分達だけでは、島にある空家を全て活用することは難しいと考えています。これからは、地域の埋もれてしまった魅力を再発見し、その魅力に共感できる人が集まっていけば空家も活用されていくと思います。空家のリノベーションとは、地域と建物が元々持っている歴史を紐解きながら魅力を再編集することだと考えています。

現在、本島では地域の魅力を再発見する為の取組を継続して行っています。本島の歴史や伝統、そこに住む地元の方との信頼関係づくり。内と外をつなぐ役割をしっかりと担っていけたらと考えています。2020年は、来島される方が気軽に宿泊することができるゲストハウスをオープンしようと準備を進めています。完成すれば、北欧をはじめとする海外へ発信をしていき、ローカルがグローバルにつながることができるようになれれば良いなと思っております。

ーCONNECTは、シンプルで心地よい暮らしの提案しており、その暮らしの中で使うものは出来るだけ長く愛着をもって使い続けてもらいたいという願いを込めながら、北欧の家具や照明、インテリア雑貨を店舗とウェブで販売。*HP*

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