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古民家の学校 vol.9「焼杉」について詳しく知りたい
焼杉とは耐久性を増すために、杉板の表面を焼き焦がし、炭化層を表面に作ったもの。家の外壁材として主に西日本で使用されてきました。その伝統技法を守るため、瀬戸の焼杉を製造販売されている細川木材代表の細川太志さんにお話を伺いました。
教えてくれたのは
細川木材/細川 太志さん
戦後から続く材木店「細川木材」の3代目社長。
現在は建設業も手掛ける。自然素材の良さを
感じられる家づくりに力をいれている。
Q:なぜ瀬戸内で焼杉が広まったのでしょうか
A:焼杉は主に西日本の海側の地域で使用され、瀬戸内の原風景に寄り添ってきました。特に江戸末期から昭和初期にかけて使用されましたが、本島の笠島地区は重要伝統的建造物群保存地区に指定され、今でも当時の美しさを保ったまま現存しています。潮風による塩害から家を守る防腐効果や火事による延焼を防ぐ効果があり、盛んに使われたと言われています。
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Q:伝統工法の「三角焼き」について教えてください
A:「三角焼き」は、杉板3枚を盤線で三角柱型に組み合わせ、下から燃えやすい紙などを詰めて点火し、三角柱の内側を焼く伝統的な手焼きの工法で製造しています。バチバチと激しい音の中、上昇気流を使って一気に焼き上げます。職人技で作られた焼杉は、工場のバーナーで焼く工業製品化されたものとは炭部分の厚さに違いが出るため、耐久性にも差が出ます。
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Q:現代の外壁材と どこが大きく違いますか
A:焼杉は耐久性が高く、メンテナンスがほぼ不要。炭化作用による防虫・防腐効果もあり本焼杉の耐用年数は50~100年と言われています。塗装やコーキングも不要でノーメンテナンス。炭化した表面は変色も少ないのでリフォームでは部分補修も可能です。また、地域の杉を使用することで、山の環境づくりに貢献し、製造過程で産業廃棄物やCO2もほぼ出しません。人にも自然にも優しい素材です。
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こんなところにも焼杉が!
by age 18
[高松市牟礼町]
瀬戸内海を眺めながら、世界中の誰もが同じお料理やスイーツを楽しめるプラントベース&小麦不使用のうどんレストラン。2階建ての店舗はロケーションもよく、無垢材と瀬戸漆喰で心地よい空間に。外壁に使用された「瀬戸の焼杉」は現地で実際に「三角焼き」のワークショップを行って製造したものが使われています。
〈施工〉細川木材
細川木材さんお話ありがとうございました。
瀬戸の焼杉のHPはこちら